ボランティアスイッチ 第 10 回インタビュー

掲載日:2015 年 5月 15日  

社会に一歩踏み出し、活動する人の声をとりあげる「ボランティアスイッチ」。第 10 回は、環境問題、国際交流、視覚障害者支援などさまざまなテーマで活動している丸山遼さんにお話を伺いました。

“人と一緒に何かをする経験”から広がる世界

  • 福祉
  • 国際協力交流
  • 災害救助・救援

このページのコンテンツは、丸山遼 さんを、京都市市民活動総合センターの伊原千晶がインタービューした記事です。

活動の様子
京都市未来まちづくり100人委員会国際チームの皆さんと

「自分には何かが足りなかったんだ」という思い

丸山さんは京都市内在住の大学生。長野県の出身で、大学で歴史を学ぶため京都に越してきました。

大学4回生だった2014年、公務員試験にチャレンジ。筆記試験はうまくいきましたが、面接で残念な結果に。

大学生になるまで「落とし穴のない人生を送ってきた」ということもあり試験の結果に、一時は抜け殻状態に。「自分には何かが足りなかったんだ」という思いを持ったといいます。

「もっとやってみなよ!全然遅くないよ!」

ちょうど 2014 年の夏は、災害が多かった時期。母に何気なく勧められて、兵庫県丹波市と広島市での災害支援活動に参加しました。

もともとは出不精だったそうですが自分にとってもそろそろ「何かしないとな」という思いもあり、参加。

活動は「会った人がとても面白かった」といいます。年齢は近いけれど、普段の生活ではなかなか接点のない、異なるバックグラウンドを持つ人たちとの交流が刺激的でした。帰りの電車の中で話した人に言われたのが、「もっと(活動を)やってみなよ!今からでも全然遅くないよ!」という言葉でした。

その後、大学のキャリアセンターから市民活動総合センターを紹介してもらい、インターネットなど様々な手段で情報収集をしながら、 京都市未来まちづくり100人委員会や、 学生ボランティアチャレンジ 京都ライトハウス 北コミまつりなど昨年度後半にはたくさんの活動に積極的に参加し、非常に多忙な状況に。

「時間があったから、活動を見つけたら行ってた」そうで、その驚きのフットワークの軽さに関しては、「自分のエネルギーを向ける方向が変わったのでは」と分析しています。

たくさんの活動に参加することで、自分自身の根本はあまり変わらないと思いながら、一皮むけたとも感じています。

ずっと「めんどくさい」が口癖だった丸山さん。家族には、年末年始に帰った際、社会の現状に興味を持つようになった丸山さんに対し、「お前そんなこと言うやつだったっけ」と少し気持ち悪がられたというエピソードも教えてくれました。

自分の新たな一面を知り、社会づくりにいかす

大学卒業後は地元に帰る予定だそう。まだ考え中ですが、京都で取り組んだような、地域に関わることをやりたいと思っています。とりわけ、自治が成り立つ地域づくりに興味を持っているとのこと。

いろいろなことにチャレンジしてみて、卑下でもなく、冷静に、「自分は何もできない」と感じました。だからこそ、いろいろな人と物事を一緒に進めることの意味を見出しています。

また就職活動での失敗や、大学外での様々な活動を通して、「つらい時に耳の痛いことを言ってくれる人のありがたさ」を感じました。

大学外の人と関わることは、大学の友人と関わるときと違い、ある意味、肩の力を抜いて関われるそう。様々な人との出会いやかかわりが自分を知るヒントになっています。

就職活動を通して、「人と何かする力」は「社会で求められる力」なんだろうなと考えています。“社会で求められているから活動した”というわけではないですが、活動にいざ参加してみたら、とても楽しく、今に続いているといいます。

新しい一歩を踏み出そうかな、と思っている人へコメントを、とお願いしたところ、「つべこべ言わずにやってみたら?」と力強いお言葉。

あなたも、小さな一歩で大きく広がる世界を見てみませんか?


話し手

丸山遼

丸山遼さん

インタビューワ

京都市市民活動総合センター

伊原千晶


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