ボランティアスイッチ 第 17 回インタビュー

掲載日:2015 年 12月 18日  

社会に一歩踏み出し、活動する人の声をとりあげる「ボランティアスイッチ」。
第17回は、京都市岡崎いきいき市民活動センター(以下、岡崎いきセン)が開設する「レコード図書館」で活動する桝井幹生さん、野入省吾さん、吉田健一さんにお話を伺いました。

自分たちの「好き」「得意」を生かしたボランティア

  • 社会教育
  • 観光・文化・芸術

このページのコンテンツは、桝井幹生さん、野入省吾さん、吉田健一 さんを、京都市市民活動総合センターの伊原千晶がインタービューした記事です。

活動の様子

桝井幹生さん

2014 年 10 月、「リビング京都」にレコード図書館*注 1が掲載されているのを見て初めて存在を知りました。今は、レコード図書館に機材を提供したり、寄贈されたレコードを整理したり、岡崎いきセンで月に一度開催されている「レコードを聴く会*注 2」に参加したりしています。

もともと大学で教員をしていたこともあり、教えたがりな性格。岡崎いきセンのスタッフの方は機械(メカ)に強く、1 回教えたら配線が出来ているので教えがいがあるんですよ。

音楽・レコードとの出会いは、物心ついた時から父が蓄音機で流行歌や童謡を流してくれていたんです。幼いころの音楽の情操教育は自分にとってプラスになっていると思っていて、自分がしてもらった、「音楽を聴かせる」ということを今の子どもたちにもしたいと思っています。それも出来れば昔の音で聴かせてあげられたら。

きっと懐かしさも倍加し、おじいちゃんおばあちゃんから孫へ「(レコードなどが)うちにもあったんだよ」という会話が生まれるきっかけにもなってほしいです。
レコード図書館のような場が、一過性でなく長く続いてほしいと思っています。

野入省吾さん

益井さんと同じく、リビング京都の記事を見て、「面白そう」と思い、レコード図書館を覗きました。
もともと機械いじりやオーディオが趣味。レコード図書館はレコードや機械が集まっていて、自分の知識が役に立つのではないかと思ったんです。

レコード図書館では機材を修理したり、レコードの整理をしたりしています。最初のころ、レコードを丁寧に扱ってほしいという思いでスタッフを叱ったこともあるんですよ。この年になると、自分の考えを発露する場所が少なくて。“やいやい”言える場所があって、加えてそのような場が他の人にとって喜んでもらえる場所になれば十分。
趣味でコツコツ集めてきたものを抱え込む人ももちろんいるけれど、どこかで活かせれたらという思いや、活かす喜びもあります。

音楽は不思議なんです。耳だけで想像の世界が広がって。音楽を聴くことで、いつでもその世界に再会できる喜びでレコードを集めています。

岡崎いきセンのスタッフの方も、音楽が好きで聞いてもらうことが好きな人達。それがとても良いと思っています。
今は年寄りばかり集まっているから、昔のものが若い人にも浸透していったら…と思っています。若い人と年配が混ざる場所が広がってほしいです。

吉田健一さん

私は、仲間である佐野さんとともに自分たちのコレクションのレコードを高齢者施設などに出張しておかけする活動を行っています。
音楽にはジャンルの幅があるので、クラシックと流行歌というように、ふたりでそれぞれにコーナーを持ち、曲をかけています。

レコードとの出会いは中学の終わりごろ。当時からラジオでよく音楽を聴いていました。それからレコードや音楽がずっと好きです。

高齢者施設でレコードをかけるときは、昭和 20 年代 30 年代の曲をかけるととても喜んでくださり、認知症の方も一緒に歌い始めたりするんです。
私自身もレコードをかけることが好きで、聞いてもらえることもうれしいです。参加者の方が質問をしてくださることで自分自身も勉強になるし、活動の原動力になっているんですよ。

注 1:

岡崎いきいき市民活動センター内にある、市民から寄贈を受けたレコードの図書館のこと。

注 2:

レコードを聴く会は、毎月第 4 土曜日に開催しています。
詳しくは岡崎いきいき市民活動センターさんにお問い合わせください。
http://okazaki-iki-iki.org/


話し手

桝井幹生さん、野入省吾さん、吉田健一
吉田さん (向かって左)

桝井幹生さん、野入省吾さん、吉田健一さん

インタビューワ

京都市市民活動総合センター

伊原千晶

インタビューを終えて (あとがき)


レコードへの愛で溢れた皆さんのお話を伺うことで、とても深くて広い、レコード好きの皆さんの世界を垣間見ることが出来ました。「ボランティア」というと肩ひじを張った奉仕活動のように思われるかもしれません。しかし今回お話を伺ったレコード図書館に集うみなさんのように、皆さんの好きなこと、得意なことで社会に役立つのもボランティアのひとつのありかたなのです。
「好き」というパワーをきっかけに、また「好き」というパワーを生かしたボランティアを始めてみませんか?


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