まちのみんなの栄養士~食や栄養のエキスパートに相談ができる場をつくりたい!~

掲載日:2023 年 10月 27日  


「低栄養」や「偏った栄養状態」はどの年代にも起こり得ることで、誰しもが他人事ではありません。そうは思っていても、健康なうちはなかなか意識できないものでもあります。

普段忙しくてきちんとした食事をとることが難しい。
簡単に栄養が摂れる食べ物を知りたい。
○○という食材が体に良いらしいけど本当?

こうした食や栄養に関する不安や悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
身近なことではあるけれど、深くは知らない食や栄養のこと。
私たちの身の回りには、「食べる」にまつわる専門家である栄養士の方々がいらっしゃるのですが、栄養士がより身近な場所で「食べる」についての相談に乗れるような場所をつくろうと、京都の栄養士さんが集まり、活動を始められています。

このページのコンテンツは、特定非営利活動法人京都栄養士ネット にスポットライトをあてその活動を紹介する記事です。

食や栄養に関する一般的な誤解や認識されていないことにはどういったものがあるのでしょうか?

サプリメントや栄養ドリンク、野菜ジュースなどに代表されるような、「これだけ食べたり飲んだりしていれば栄養が摂れる」と認識されているものです。
これらは普段の食事の補助的に摂っていればまだよいのですが、一食をそれのみにしている方もいらっしゃいます。
ただ栄養を摂っていればそれでよいということではなく、食べ物を咀嚼して、胃や腸を動かして、便として排出する、こうした体のそれぞれの機能を使うことが重要です。人の体はそれぞれの機能を使って維持するようにつくられているので、どこかで弊害が出てきます。
特に高齢の方がこうした食事を続けてしまうと、噛む力や飲み込む力が衰えてしまい、フレイル(心身の虚弱)にもつながってしまいます。

なかなか全ての食事を栄養満点の完璧にするのは難しいと思いますが、自分が健康で、美味しかったなと思える食事の機会を増やしていってほしいです。
私たちはそのためのサポートをできたらと思っています。

皆さんは、「栄養士」という資格を持った専門家の方々が集まって NPO 法人京都栄養士ネットをつくられたそうですが、「栄養士」とはどういったことをされているのでしょうか。

栄養士は、様々なライフステージの方に対して、食と栄養の専門家としてアドバイスを行ったり、食事の提供を行ったり、栄養状態の管理を行ったりしています。
医療や福祉、学校給食、保健所等の行政の現場など、皆さんの身近なところで活躍していて、私たち NPO 法人京都栄養士ネットも様々な職場で働いている栄養士がいます。

2012 年から京都訪問栄養士ネットという任意団体からスタートし、在宅医療患者の方に対して訪問栄養食事指導に取り組んできました。具体的には、ご家庭をまわって、食事の改善やその方の体や治療に合わせた食事の作り方についてお伝えするというものです。 その中で、在宅医療が必要となるもっと早い段階で、ご自身の食生活を見直してもらうことができれば、もっと自分らしい生活を送ってもらえるのではないかということを実感しました。

この活動を始めてから、行政や社会福祉協議会等からに招いていただいて、介護予防の講座で話をさせてもらうこともあるのですが、そこに来られる参加者の方は食事や健康に対して意識の高い方が多いのです。
食事や健康、栄養のことは自分の体に直結するとても身近なことなのですが、それを知ろうとすることはハードルが高いようです。そこで、年齢や立場など関係なく、ハードルが低い形で知ってもらえるように、活動を進めています。

「栄養士」としてお仕事をされているということですが、「栄養士」という職業を選択された理由やきっかけを教えてください。

【砂川さん】
子どもの頃、私はいわゆる肥満児でした。その時に、学校の養護教諭の方に生活指導や食事指導を受けて、こういう仕事があるんだということを知りました。その後、思春期に入り、痩せたいという気持ちが強くなって実行に移すときに、養護教諭の先生の存在が大きかったのがきっかけだと思います。

【荊木さん】
高校生のときに、自分はバリバリ仕事をしたいなと思っていました。まだ女性が外に出て働くことが多くない時代でしたが、身近に病院の栄養士としてバリバリ働いている姿を見て、自分もこういうふうに働きたいと思い、栄養士を目指しました。

【樹山さん】
私はもう高齢期に入っている年齢で、私が育った時代というのは、男尊女卑というものなのか、男性はいろいろなおかずをつけた食事をとり、女性は粗食でもよいという状況がありました。こうしたことから、その当時の漫画などを見ると、おばあさんは腰が曲がっている描写が多いのだと思います。
そうした状況を見ていて、おかしいと思ったんです。人間は皆同じように食べなければならないはず、なぜ男性だけが食べていたらそれでよいのかという疑問ですね。
そこで、皆が平等に健康になれるにはどうしたらよいだろうと考えていた時に、高校の家庭科の授業で栄養士という職業を知り、絶対に栄養士になろうと思い、今に至ります。

「栄養まちかど相談室」の開設をめざして

ご自身の体のこと、健康のことという身近なことではあるのですが、関心を持ち、話を聞きに行くということにハードルを感じている方も多いです。
そこで、まちなか、地域の催しやスーパーの一角などで、相談コーナーを設置して気軽に食事や栄養についての相談ができる場をつくくろうと動き始めました。わざわざ講座に話を聞きに行くということまではできなくても、「スーパーで買い物をしたついでにちょっと聞いてみようかな」ということができるといいなと思っています。
いつも食べているものからちょっとだけ意識を変えてもらう、知るきっかけをつくる、そうした場をまちなかにつくることで、私たち栄養士を活用してもらえたら嬉しいです。
こうした活動を通じて、自分のことを自分でできる、自分らしく過ごす時間をのばしていく人を増やしていきたいです。

「栄養まちかど相談室」開設に向けて、寄付金や場所の提供のご協力をお待ちしています。
相談室は、公的な場所やスーパー、商店街など、住民が気軽に行けるところを想定しています。コンビニ弁当を上手に活用して簡単に作れる栄養満点メニューや、安価な食材で上手に栄養を摂る方法など、その人に合ったものを提案します。
ぜひ「栄養まちかど相談室」の開設をご支援ください。


今回スポットライトをあてた団体・個人

特定非営利活動法人京都栄養士ネット (左から)砂川 彩子さん、樹山 敏子さん、荊木 文子さん () さん

団体名 特定非営利活動法人京都栄養士ネット
代表者 樹山 敏子
所在地 〒616-8145 京都市右京区太秦八反田町 10-24
団体について

私達の活動のスタートは「訪問栄養食事指導」です。多くの在宅療養者やご家族に接する中で、食や栄養に課題を抱えている人の多さを知りました。介護予防・重症化予防といった早めの対策としての食や栄養の大切さを感じてきました。

これまでの経験から元気な人を増やす為の「食・栄養の相談が出来る地域」を目指しています。この相談室は公的機関やスーパー等身近な場所での「栄養まちかど相談室」実施にご協力をお願いします。

電話 090-512-52975
FAX 075-334-5259
メール eiyoushinet@outlook.jp
Web サイト https://kyotoeiyou.opal.ne.jp/

この記事の執筆者

団体名 京都市市民活動総合センター
名前 真鍋 拓司

副センター長補佐



上へ