「もったいない」から「ありがとうへ」~フードバンクの取組み~

掲載日:2023 年 8月 28日  


フードバンク活動とは、安全に食べられるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、流通に出すことができない食品を企業などから寄贈していただき、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動で、「食品ロス問題」と「貧困問題」にアプローチをしています。
近畿農政局によると、京都においては 6 つの団体がフードバンク活動に取り組まれています。

今回ご紹介するのは、京都市内を中心に活動されている「フードバンク京都」さん。
フードバンク活動のほか、「農園の運営」を展開されています。

現在の活動や支援状況についてお話を伺いました。

このページのコンテンツは、特定非営利活動法人フードバンク京都 にスポットライトをあてその活動を紹介する記事です。

フードバンク京都の支援状況

企業や農家さん、個人の方からいただいた食品のお渡し先は、困窮しておられる個人やご家庭、養護・母子支援施設など、そして子ども食堂です。

新型コロナウイルスや物価高騰などの影響で、近年、緊急支援の要請件数がとても増えています。
生活が立ち行かなくなった方が行政に生活保護受給の申請を行うのですが、申請してから受給までに 2 週間ほどかかってしまいます。その間、食べ物に困る家庭に対して行政からフードバンク京都に支援依頼があり、緊急支援を行っています。
その他にも、生活保護の受給要件には満たないけれどぎりぎりの生活をしているという方もおられて、そうした方の生活再建までの期間を緊急支援として食品を届けています。
コロナ前では緊急支援の依頼は週に 1 件ほどだったのが、現在は平日毎日だいたい 3 件の緊急支援を行っています。少ない年金でなんとか生活されていた高齢世帯が、物価高騰の影響で、たちまち生活が回らなくなるといったケースが増えているように感じます。

誰かのために想いを込めて

緊急支援では原則 2 週間分の食品や食材をその方の体調やライフラインの状況に合わせてお届けしています。オーダーメイドで食品をお届けすることはフードバンク京都の特徴でありモットーです。

行政から緊急支援の依頼があった際には、電気やガス、水道、炊飯器の使用可否、精神的な理由などで調理ができないなど、お届けする先の状況を踏まえて届けるものを考えています。
その他にも、糖尿病を患っている方であれば糖質を抑えたメニューにするのはもちろん、高齢者の方には懐かしいお菓子を入れたり、女性の方にはデパートで扱っているような食品を入れるなど、お渡しする方が受け取ったときに気分が高揚してもらえるようにと想像しながら、寄付品から食材を選んで詰めています。

支援物資を渡したときに、「まだ生きていられる。」、「ひとりじゃないんだ。」と思ってもらえるように、心を込めて作業しています。

フードドライブ活動や農園の運営

支援先にお届けする食品は、皆様からご寄付いただいたものをお渡ししています。寄付品集めの 1 つの方法として「フードドライブ」があります。「フードドライブ」とは、スーパーやコンビニ、学校、職場などで各家庭から余った食品を集め、それを私たちが回収もしくは送ってもらい、支援先に届ける仕組みです。現在、京都市内を中心に 20 か所以上で「フードドライブ」を行っています。

皆さんの職場や学校で企画してフードドライブすることが可能ですので、ぜひご検討下さい。

また、フードバンクを行っている団体では珍しく、農園を運営しています。今はミニトマト、ナス、ズッキーニなど、夏野菜が中心です。どうしても支援物資は加工品が多くなってしまうため、生野菜も届けたくて活動しています。

協力してくださる方を募集中!

現在、約 40 名のボランティアスタッフが活動していますが、それぞれの得意なことや好きな活動に参加してくれています。 皆さん、仕事の合間に活動をしているため、もっとたくさんの方に参加してもらえると助かります。

配送や事務所での仕分けのほか、農園やご自宅での集計など、色んな活動がありますので、それぞれの得意なこと活かしてもらえると嬉しいです。
ボランティアさん募集中です♪

仕分け作業の風景


また、特に最近は、物価高騰の影響なのか、フードドライブで集まる食品が激減してしまっています。以前は寄付で集まった食品だけで支援ができていたのですが、買い足すこともありました。それほど食品の数が足りなくなっています。
職場や学校、地域などでフードドライブの協力をいただけるところも募集しています。ぜひ、それぞれのできる形でフードバンク京都の活動に参加してください!


今回スポットライトをあてた団体・個人

特定非営利活動法人フードバンク京都 山村 純子 (やまむら じゅんこ) さん

副理事長(向かって左から 2 人目)

2017 年からボランティアとして参加
2020 年度より講演活動を担当
2021 年度より理事
2023 年度より副理事長

※ 個人の肩書や所属する団体は、執筆時点 (2023年8月) の情報です。

団体名 特定非営利活動法人フードバンク京都
代表者 高畠 由美(タカバタケ ユミ)
所在地 〒615-8141 京都府京都市西京区樫原平田町14-31
団体について

行政機関や社会福祉施設、要生活支援者への支援を行っている団体等に対して、個人や企業等から寄贈を受けた食料を提供する事業を行い、誰もが明るく豊かな生活のできる社会の実現を目指しています。要支援者および要支援者への支援を行っている団体等への食料提供を行うため、個人・団体・企業からの食料の引取事業及び支援農産物の確保のための自主農園での生産事業も行っています。

電話 080-274-11646
FAX 075-201-9291
メール 1fbkyoto@gmail.com
Web サイト https://www.foodbankkyoto.com/
Facebook https://www.facebook.com/1foodbankkyoto/
Instagram https://www.instagram.com/1fbkyoto/

この記事の執筆者

団体名 京都市市民活動総合センター
名前 真鍋 拓司

副センター長補佐

Web サイト http://shimin.hitomachi-kyoto.jp/
Facebook https://www.facebook.com/shimisen


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