小さな活動が大きな変化を生み出す~mame-eco プロジェクト~

掲載日:2021 年 7月 30日  


京都のまちを歩くと、喫茶店やカフェ、コーヒースタンドをよく見かけます。
コーヒー消費量全国 1 位の京都。ご自宅でコーヒーを楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。

私たちの食生活に密接な関係にあるコーヒーですが、皆さんが普段コーヒーを楽しんでいる自宅やカフェ、オフィスで捨ててしまっているコーヒーかすは相当な量になっているのです。

日本ではあまり馴染みがないですが、コーヒーかすは、腐葉土や米ぬかなどを混ぜると、3 ヶ月ほどで堆肥となります。
海外では、地域のガーデニングを楽しむ個人のために、コーヒーかすを店先に置いているコーヒーショップもあるのだとか。

今回スポットライトを当てるのは、京都市内のカフェを中心にコーヒーかすを回収して、農家の方々に堆肥として活用してもらうために提供を行っている「mame-eco」代表のブルーム ゲーリー・順子夫妻です。

このページのコンテンツは、mame-eco ブルーム ゲーリー・順子さんにスポットライトをあてその活動を紹介する記事です。

私にできることは

私たちはコーヒーが大好きで、毎日飲んでいます。その分コーヒーかすをごみとして捨てていることが気になっていました。

チラシを見てみると、毎年のごみの減量の率が小さくなってきていて、ここ数年では特に難しくなっているようでした。ここからの次の一歩は、一人ひとりの小さな取組みなのだと思いました。

コーヒーかすは重いうえに廃棄量もとても多く、ごみとして燃やすためにとても多くの燃料が使われています。
大量のコーヒーかすをごみとして捨ててしまっていることに注目してもらい、京都市のごみ減量につながるのであれば、という思いから活動を始めました。

コーヒー消費者の一人として責任も感じますし、お店の方も提供する側として責任を考えなければならないと言ってくださいました。
私たちの活動を通して、何か変わってきているなという実感を持っています。

プロジェクト始動

我が家から出ている月に 4kg ものコーヒーかすをごみとして出すのではなく、堆肥として農家さんに活用してもらえないかと考え、インターネットを通じて農家さんを募りました。

すると、「20kg 以上集まったら、ご自宅まで取りに行きますよ。」という農園の方から連絡があり、そこからプロジェクトが加速します。

我が家から出るコーヒーかすでは、20kg を集めるのに 5 ヶ月もかかってしまいます。
そこで、家の近くのカフェにコーヒーかすの回収バケツを置かせてもらえるようにお願いをしてまわりました。
カフェの多くは、ごみの減量ができ、しかもそれが何かの役に立つのであればと快く応じてくれました。

自転車でコーヒーかすの回収を行なっている様子

農園の方からの連絡から 20kg を超えるのコーヒーかすを集めるまでに 3 週間がかかってしまいましたが、その後も協力してくれるお店が増えていき、活動開始の 2020 年 5 月から 1 年が過ぎた 2021 年 7 月中旬現在までで、8 トン(8,000kg)以上のコーヒーかす、コーヒーチャフ、ペーパーフィルターの回収と農家さんへのコーヒーかすの提供を行うことができました。

回収されたコーヒーかす

コーヒーかすがごみにならない社会へ

京都では、コーヒーを捨てないことが当たり前になることが理想です。

現在の私たちの取組みは、農家さんにコーヒーかすを堆肥として活用してもらうために大量にコーヒーかすの回収を行っていますが、てんぷら油の回収活動のように、地域として一般家庭のごみを減らす取組みが生まれるとよいなと思います。

コーヒーかすをペレットにして燃料として使ったりすることも可能で、すでに海外では行われています。将来的には日本でもコーヒーかすがごみとして燃やされるのではなく、燃料として使われることが理想の一つです。

小さな活動が大きな変化を生み出す

私たちは、この活動を通じて気兼ねなくコーヒーを飲むことができていますし、カフェの方やエコ活動に取り組んでいる方とも知り合うことができ、活動のアイディアをいただいたり、エコの輪がどんどんと広がっています。

私たちの取組みが広がっていく様子が楽しく、市民のパワーに元気をもらっています。

プロジェクト名の「mame」は、もちろん「コーヒー豆」から名付けていますが、そこには、やっていることは小さいけれど、いつかみんなに大きく広がってほしいという願いも込めています。

私たちと一緒にコーヒーかすの回収に協力してくださる方や、コーヒーかすを譲ってほしいという方を募集しています。

ただ、私たちだけの活動にとどまることなく、この「mame-eco」を多くの人に知ってもらい、多くの小さな活動が全国に広まって、大きな変化となってくれたらと願っています。


今回スポットライトをあてた団体・個人

mame-eco ブルーム ゲーリー・順子 (ぶるーむ げーりー・じゅんこ) さん

代表

団体名 mame-eco
代表者 ブルーム ゲーリー・順子
団体について

コーヒーかす再利用プロジェクト

使用済のコーヒーかすをカフェやホテル、オフィスなどから回収して、農家さんやガーデナーの方々、その他必要とされる方に堆肥などとして活用してもらうために提供しています。
普段捨ててられているものに新たな役割を与え活用し、ゴミ減量に繋がるエコ活動です。

メール mameecokyoto@gmail.com
Web サイト https://mame-eco.org/ja/
Instagram http://mame_eco/

この記事の執筆者

団体名 京都市市民活動総合センター
名前 真鍋 拓司

事業コーディネーター



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