寄付ラボ 第 68 回寄稿

掲載日:2018 年 2月 23日  

マラソンがあると、フェイスブックで完走の報告をする人をよく見かけます。
今回の寄付ラボは大阪マラソンでの「寄付」にまつわるお話です。
ボウリングやゴルフなど、スポーツを通じたチャリティコンペ・チャリティイベントを主催している団体もありますが、ポイントは寄付をしたくなる雰囲気づくりや寄付の窓口を多く設定し、多くの人がチャリティを楽しみながら出来る事でしょう。
毎年大盛況の大阪マラソンのチャリティ事務局さんに、寄付の機会の提供の仕組みづくりについてご寄稿いただきました。

誰でも NPO のファンドレイザーになれる仕組み

このページのコンテンツは寄稿記事です。

大阪マラソンは「みんなでかける虹。」を大会スローガンに「チャリティ文化」の普及を呼びかけるチャリティマラソンとして 2011 年に開始。第 7 回大会(2017 年)は 3 万 2,008 人がランナーとして参加。1 億 6,700 万円を超える寄付金が寄せられた。沿道の観客 130 万人の声援、1 万人のボランティアなど、走る人・支える人・応援する人が、それぞれのカタチで楽しみながらチャリティに参加し盛り上げる市民参加のイベントでもある。

大阪マラソンによる寄付の機会

寄付は、一般ランナーがエントリー時に行うほか、大会前後を通しての募金、連携イベント、大阪マラソン EXPO でのチャリティオークションや募金、大会当日のコース沿道やゴールでの募金、チャリティグッズの購入、そして「チャリティランナー」によるファンドレイジングによって行われる。

抽選により出走権を得る一般ランナーは、7 つのチャリティカラーに基づく各テーマ 2 団体・合計 14 のチャリティ寄付先団体から応援したいチャリティカラーを選び、一人 2 口(1 口 500 円)以上のチャリティ募金をエントリー時に行う。2 口のチャリティ募金以外で任意のチャリティカラーと口数を選んで寄付をすることもでき、「なないろチャリティ T シャツ / キャップ」「チャリティウィンドブレーカー」「ニックネーム入りナンバーカード」など、売上の一部が寄付金となるチャリティグッズを購入することもできる。

一方、「チャリティランナー」は、自分が支援したい団体をチャリティ寄付先団体から選び、家族や友人、団体の活動に共感した人から 7 万円以上の寄付金を募って出走権を得ることができる仕組みだ。

また 2017 年からは、ふるさと納税制度を活用した「大阪スポーツ応援ランナー」も新設され、大阪府「なみはやスポーツ振興基金」または大阪市「大阪市スポーツ振興基金」へ 10 万円以上の寄付を行った 430 人が出走権を得た。

寄付先団体の活動に共感し「ファンドレイザー」となるチャリティランナー

寄付先団体は、事前に目標設定したチャリティランナー枠数を上回る獲得をめざし参加を呼び掛ける。団体スタッフがランナーになる場合もあれば、団体のボランティアや支援者がさらなる支援のため、さらにはまったく接点がなかった人が募集広報等を通して寄付先団体の活動やチャリティランナーの仕組みに共感してチャレンジすることも。まさにチャリティの裾野を広げ、関わりを深めるものとなっており、年々応募も増加し第 7 回は 646 人に上った。

寄付金目標額の達成をめざしてファンドレイジングサイト「ジャパンギビング」に登録を行い、ファンドレイジング宣言を行って寄付を募る。第 7 回のチャリティランナーが集めた寄付金は 49,109,051 円に上る。最も多くの寄付金を集めたチャリティランナーには「ベストチャリティランナー賞」が贈られるが、380,404 円を集めたランナーが表彰された。ランナー一人が頑張るのではなく、練習会やチャリティイベント等を寄付先団体が開催してサポートを行う。完走に必要なポイントや基本フォームを講師を招いて学ぶとともに一緒にランニングを行って各寄付先団体のチャリティランナーが交流したり、一緒に PR 活動を行ったりと寄付先団体が連携 / 協働するケースも増えており、ランナーと寄付先団体、大阪マラソン組織委員会が一体となってチャレンジを支える体制が、より多くの人がチャリティランナーに応募する一助になればと考えている。


河合 将生

大阪マラソンチャリティ事務局

河合 将生(かわいまさお)さん

大阪マラソンチャリティ事務局

大阪マラソンのチャリティプログラムにおいて、チャリティ寄付先団体との連絡調整を担うとともに、寄付先団体の大阪マラソンでの活動サポートやファンドレイジングの相談対応などを担う。

Web サイト

HP - https://www.osaka-marathon.com/


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