寄付ラボ 第 65 回コラム

掲載日:2017 年 12月 22日  

今年で第 5 回目となる市縁堂が 12 月 17 日に開催されました。
「『なにかちょっと社会にいいことを』と思っているあなたに。」をテーマに、行動する第一歩となれるようなイベントとなりました。
NPO との出会いの場としての市縁堂についてのコラムです。

市縁堂における寄付文化醸成

このページのコンテンツはコラム記事です。

第 5 回「市縁堂」が平成 29 年 12 月 17 日に開催されました。毎年、市民活動総合センターが NPO や市民活動団体の活動紹介を広く市民に向けて公開するイベントです。「市縁堂」とは造語であり、「民が、ごのもとに、一につどう会」の 3 文字を合わせて作られています。

この「市縁堂」が初めて開催されたのが平成 25 年。その頃は団体自体の広報力を高めることを意図として、活動を広く市民に知ってもらうためのプレゼンテーション能力向上を促す目的が主にありました。しかし、3 年前から、この団体のプレゼンテーション力向上だけでなく、社会の中で活動する団体を応援する人たち、いわゆるサポーターからの「寄付」を募る仕掛けも盛り込んでのプログラム運営が実施されて来ました。

「市縁堂」での寄付促進は、様々な NPO・市民活動団体の日常における活動を参加者と共有し、参加者が「この団体を応援したい!」と思ってもらえるよう実施しています。

一般的に意識的には「寄付」=「金銭」ととらわれがちではあります。しかし、今回の「市縁堂」運営概念では、活動への参加・協力という行動による参画もチャリティ(慈善活動)として捉えることが出来るのではないかという考えで事業を進めました。

市縁堂当日も、寄付での応援だけでなく、「素敵な活動だと思いました。今度参加させていただきたいと思います!」という数多くの応援メッセージがありました。出場いただいた団体の皆さんからも、「これまでなかなか団体や活動を知ってもらうことができなかった方々と出会い、興味を持ってもらう機会をもらいました!」と、嬉しい言葉を頂くことができました。

まさに金銭から気持ちへの広がりによる「寄付文化」への 1 つの方向性を示したのではないかと思います。

市縁堂 2017 開催 1 週間前には、京都ブラスバンドさんの協力により、「クリスマス・チャリティ・コンサート」が開催されました。その会場には約 250 名の一般市民の方々が御参加され、日頃、「寄付」にはあまり関心のない方々も、この「市縁堂」の活動について、ご紹介させて頂きましたところ、多くの寄付を頂戴することができました。「市縁堂」ではお預かりした寄付を参加団体の皆さんに贈呈させて頂きました。寄付者と寄付を頂く各団体とは直接面識はありませんが、寄付者(支援者)は、「寄付」をしたことの行動は心の中にずっと残ることと思います。

日常における数多くの団体の活動は、市民には、なかなか届きにくいものです。この「市縁堂」が、市民の意識の中で年に 1 回の「寄付の日」として浸透していければ、日本の社会の中で「寄付文化」が醸成していくのではないかと思い願っています。

注 1:

市縁堂 2017 特設ページ
https://shimisen-kyoto.org/shien-do-2017


京都市市民活動総合センター

西 保彦(にしやすひこ)さん

京都市市民活動総合センター
市縁堂 2017 担当職員

京都市市民活動総合センター

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