寄付ラボ 第 64 回寄稿

掲載日:2017 年 12月 8日  

「寄付」というと、寄付先の団体の活動に賛同して、「応援したい!」という気持ちのものが思い浮かびます。こういった「共感型寄付」の形も大切ですが、だれでも気軽に寄付ができることも社会の中に必要です。

今回のテーマは「日本の職場に根付いたチャリティプログラム」。
社員食堂や店舗でヘルシーメニューを購入すると、代金の内 20 円が寄付となり、飢えに苦しむ世界の子どもたちに給食 1 食分が届けられる、気軽に社会貢献とメタボ予防ができるという一石二鳥な取組みの TABLE FOR TWO プログラムを社員食堂に導入した株式会社ワコールホールディングスさんにご寄稿いただきました。

何気なくできる寄付の仕組み

このページのコンテンツは寄稿記事です。

ワコールと TABLE FOR TWO(以下、TFT)との出会いは 2011 年、隔月で開催される本社の給食委員会の場である社員が TFT を紹介したことがきっかけでした。「世界の食の不均衡の解消」という趣旨のもと、働く私たち自身の健康を考えるだけでなく、食料不足に苦しむ発展途上国のこどもの援助を行う TFT の活動に賛同したこともそうですが、社員食堂という既存の仕組みを活用できる寄付プログラムであったこと、社員も簡単にできるという特徴も TFT プログラムに参加した理由です。2012 年 4 月から本社食堂にて取り組みをスタートしました。以降、取り組みは現在でも続いており、社員食堂の委託業者である株式会社 LEOC 様の協力のもと、毎週水曜日を「テーブル・フォー・ツー・デー」として、寄付金 20 円を上乗せした「テーブル・フォー・ツー・メニュー」を提供しています。また、該当メニューを食べなくても自由に寄付できる仕組みも整えています。初年度(2012 年度)の寄付額は年間で 116,800 円、次年度(2013 年度)の寄付額は 130,500 円でした。以降も、毎年 5,000 口以上(10 万円以上)の寄付を続けることができています。

また、TFT が世界食料デーに合わせて展開する「100 万人のいただきます!」キャンペーン期間中は、本社食堂でも「2,000 人のいただきます!」キャンペーンを実施しています。このキャンペーンは、期間内に「延べ 2,000 食のテーブル・フォー・ツー・メニューを食べて 2,000 人の子供たちに給食を届ける」ことを目標に、通常の TFT 対象外のメニューから 1 日 1 メニューを選んで「テーブル・フォー・ツー・メニュー」として提供するものです。開催期間である 10 ~ 11 月には通常を上回る寄付が集まっており、最近では 2015 年度には 2,401 口 48,020 円、2016 年度には 2,752 口 55,140 円と目標以上の寄付につなげることができました。

TFT プログラムでは、強い想いがなくても多くの人が何気なく寄付ができるような仕組みになっているのが特徴です。こういった、社員の皆さんが気軽に社会貢献に参加できる場を会社として提供することは大切なことだと考えています。

私たちのまわりは様々な食べ物があふれていますし、食堂運営にあたっては社員のみなさんに「どうやって美味しく食べてもらえるか」をつねに考えています。当たり前のことかもしれませんが、とても幸せなことです。TFT は 20 円でできる社会貢献活動ですが、私たちの当たり前である日々に感謝するとともに、食べることさえままならない子供たちに思いを馳せる機会でもあります。何となく継続しているだけでなく、もっと積極的に社員にアピールして、この活動がさらに続いていくよう取り組んでまいりたいと考えております。


美馬 有子

株式会社ワコール人事総務本部 総務部総務課

美馬 有子(みまゆうこ)さん

株式会社ワコール
人事総務本部 総務部総務課


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