「NPO への寄付は、一部の人のお金がまわっているだけ。」そんな声を聞いたことはないでしょうか。
NPO や市民活動に関心があるけれど、動き出す機会がない。そんな人も潜在的にはたくさんいるはずです。
今回は「若者の心を掴むチャリティーファッション」をテーマに、日常的にチャリティーができる取組みについて。
商品の全てがチャリティー付きという画期的なファッションブランド「JAMMIN」さんから高橋佳吾さんにご寄稿いただきました。
私たち JAMMIN(ジャミン)は、様々な社会課題をテーマにした1週間限定販売のデザインの T シャツを、毎週月曜に公開しています。その全ての商品がチャリティー付き(100 〜 700 円)で、寄付額も常に公開しています。
「胡散臭い」「何に使われるか分からない」という声に応えるために、NPO へ取材したインタビュー記事も毎週公開しています。このチャリティーを通して、色んな NPO について知ってほしいという想いから、「ライター」という肩書きの社員を置いて、情報発信に努めています。
私と共同経営者の西田は、以前、日本国内外のインフラの計画や建設に関する仕事をしていて、途上国の生活環境の向上に関わることもしていました。周囲の人に自分たち仕事の話をすると「そんな仕事があるんだ」と驚かれると同時に「いい仕事だね」と褒めてくれる方も。
民間団体として活動する NPO も同じように日本国内外で社会課題の解決に向け奮闘しています。世間の多くの人は、単純に、そうした団体や社会課題の存在を知らないだけで、知ったら「応援したい」という人が大勢いるのではないか、と仕事の経験を通して思うようになりました。
少しデータを紐解くと、日本の個人寄付額が米国と比較し 20 分の 1 の規模しかありません(2012 年のデータ*注 1)。税制や宗教観の違いだ、などと指摘されています。そうした背景について知ることも大切なのですが、もっとシンプルに多くの人が「日常的にしていること」と「寄付」を繋げれば、今まで参加したことが無い人もチャリティーに参加するのでは、と考えています。
そんな背景から、私たち JAMMIN は、「チャリティーは楽しいもの」と定義し、そして「チャリティーを日常の中に取り入れる」ことを大切に思っています。チャリティーの手段として「ファッション」を選んだのは、みんなが日常的に楽しんでいることであり、自分の想いを気軽に表現できるツールだと考えたからでもあります。
社会貢献意識調査では「日頃、社会の一員として、何か社会のために役立ちたいと思っているか」という質問に対して約 65% の人が YES と回答し、年々この割合は増加しています。JAMMIN のこの取組みは、そういった意識のある方に、実際に行動に移す機会の提供をしています。
ただ、「チャリティーになるから」という理由だけで買ってもらっていては持続的な取組みにはなりません。MADE IN JAPAN、ハンドメイドにこだわったモノ作りを進め、「品質がいいから買う」と考えて頂けるよう、一点ずつ心を込めてアイテムをお届けしています。
JAMMIN の EC サイトがオープンしたのは 2014 年の 4 月。約 3 年半で 1,500 万円のチャリティーを、180 を超える NPO さんへお届けしてきました。最近では、お客様からも「今週はどんなテーマなんだろう」「共感するテーマの時に買いたい」という、声も頂くようになりました。
これからの日本の未来を考えた時に、NPO を始めとする非営利団体が果たす役割は大きくなります。高い専門性を持ち社会課題の解決に取り組む NPO を、楽しみながら応援できる取組みが増えて、みんなで NPO を応援できる社会になればと思っています。
また、最近では学生のうちにインターンで NPO に行ったり、そのまま仕事として NPO を選択しようとしていたりする方がたくさんいます。若者が就職の際に NPO という選択肢を選べるよう、NPO を当たり前に感じられるような世の中にしていきたいです。
寄付白書 2012 (日本ファンドレイジング協会)
JAMMIN 合同会社
高橋 佳吾(たかはしけいご)さん
JAMMIN Co-founder
1983 年 愛知県名古屋市生まれ。2013 年に大手建設コンサルタント会社で同期だった西田太一とともに脱サラし、JAMMIN を創業。
JAMMIN 合同会社 |
京都発チャリティー専門ファッションブランド。ファッションは、その人らしさや気持ちが表現されるもの。見た目だけでなく、そこに描かれているメッセージやスタイルを大切にして欲しい。そんなアイテムを毎週リリースしています。 |
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