「言うは易く、行うは難し」寄付呼びかけを一言で表す際に、これほどぴったりな言葉は見つからないでしょう。
今回の寄付ラボでは寄付を初めて呼びかけた時の、ちょっぴり苦く切ない思いをご執筆いただきました。
2016 年度の寄付ラボでは、寄付をポジティブに捉えるだけでなく、日本社会における寄付の現実をありのままに、苦労、つらさ、なども発信していきたいと思っています。
寄付を募り、市民のプロジェクトに届けるという財団の理事長からお声かけいただき、寄付を得て活動資金とすることに初めて挑戦することにしました。
それまでも、各種助成金の活用はしていたので、企画書、申請書の準備などの事務作業そのものは特に問題なく、助成金への申請と同じような感覚ではじめました。
自分たちの活動を多くの人に応援してもらえる機会になると思っていました。
始めてすぐに気づいたことは、ある「こと」が言えないということ。
「こんな活動をしています。」これは言えます。
「活動を知っていただきたいので、ちらしを置かせてください。」これも言えます。
「活動に寄付をしてください。」これが言えないのです。
私たちが日常生活の中でお金を動かすとき、何かの対価としてお金を支払ったり、受け取ったりします。
直接にサービスの恩恵を受けない相手に「お金をください」というハードルがいかに高いかということに、現実、人を目の前にして気づいたのです。
活動に自信がないわけではなく、必要なこと、やるべきこと、社会のために、未来のために有益だと自分たちは思っているけれど、でもそれを実現しなくても今すぐにはあなたが困らないことに対して、あなたにお金をくださいと言えなかったのです。
日本には寄付の文化がないといいますが、それは寄付をする側だけではなく、寄付をよびかけようとする側も「寄付」に慣れていないということです。
直接対価を得にくいことであっても、社会的に意義があれば寄付というお金の集め方もあると頭では考えていても、実際に行動に移そうとすると心が折れそうになるのです。寄付に対する考え方、助成金と個別寄付を募ることは違うということの認識も甘かったと思います。
あれから数年、クラウドファンディングなども当時より盛んになり、あちこちで「応援してください」の形を見るようになりました。
もし次に「寄付」にチャレンジするとしたら、「応援してくださってもあなたのメリットにはなりません。でも私たちを応援することがあなたのステイタスになりますよ。」と語れるようになっていないといけないと思いながら、まだ踏み出せていない現実があります。
NPO 法人 地球デザインスクール
清水 睦(しみずむつみ)さん
NPO 法人地球デザインスクール事務局長/京都府立丹後海と星の見える丘公園スタッフ
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自然共生型公園としてオープンする府立公園で、どのようなプログラムを実践すれば環境学習として有効なのか府民参加で考えよう。そんな動きの中でできた団体です。 |
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