寄付ラボ 第 11 回寄稿

掲載日:2014 年 11月 14日  

第 11 回となる今回は、NPO 法人日本ファンドレイジング協会の徳永洋子さんにご寄稿いただきました。「ファンドレイジング」は「お金」を集めるだけではないのですよ。さて・・?

ファンドレイジングで社会を変えよう!

このページのコンテンツは寄稿記事です。

活動の様子

ファンドレイジングという言葉を初めてお聞きになった方もいらっしゃるでしょう。「ファンドレイジング」を直訳すれば「資金調達」。 NPO が活動する上で必要となる資金を集めることです。

「 NPO のファンドレイジング」といった場合、一般的には、 NPO への支援の気持ちが込められた寄付や会費、助成金といった NPO ならではの資金の調達を意味します。

では、そもそもファンドレイジングとは何なのでしょう。 NPO にとってファンドレイジングとは単に活動資金を集めることではなく、それを通じて社会的な課題を人々に知らせ、共感を得て、理解してもらい、その解決への参加者を増やして社会をよりよくしていくことではないでしょうか。寄付や会費を募る過程で団体と人々がつながり、支援の輪が広がることで問題解決が促進するのです。

具体的に言えば、途上国の飢餓の問題に取り組む NPO の場合、飢餓に苦しむ人たちに食糧を提供することが支援活動の柱です。しかし、本質的な飢餓問題の解決のためには、国際社会の構造の変革であったり環境問題の解決が必要なのかもしれません。時には途上国での支援事業と同じくらいの労力を割いて先進国の人々の中に理解者を増やすことが最終的な飢餓問題の解決に役立つとも言えるでしょう。

また、寄付者にとっては寄付をすることは、自分自身が動いて社会を変えたり社会の必要性に応えられなくても、確実に自分に代わって行動してくれる誰かに思いを託してお金や品物を提供することだと言えます。そして、寄付という行為による社会参加、社会貢献、自己実現は、人間が生れながらに持っている利他の精神をも満たして幸福感をもたらすものだと考えられます。

 このように、寄付集めのための「ファンドレイジング」は、善意の資金を集める側と出す側をつなげることで、人々を幸せにして、社会をよりよく変えていくものなのです。


徳永 洋子

日本ファンドレイジング協会 理事・事務局長

徳永 洋子さん

2009 年 2 月、日本ファンドレイジング協会設立と同時に同協会事務局次長、2012 年 6 月より現職。

日本ファンドレイジング協会 

日本ファンドレイジング協会は、2009 年に寄付 10 兆円時代の実現を目指して設立。民間非営利組織のファンドレイジング(資金集め)に関わる人々と、寄付など社会貢献に関心のある人々のための NPO として、資格制度やファンドレイジング・日本、寄付の教室、寄付白書の発行などに取り組んでいます。

Web サイト

http://jfra.jp/


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