寄付ラボ 第 5 回寄稿

掲載日:2014 年 8月 9日  

寄付に関するさまざまな思いやエピソードを多様な立場の方にそれぞれの視点で執筆をお願いし、みなさまに生の情報をお届けする「寄付ラボ」。

第 5 回は、NPO 法人山科醍醐こどものひろばの村井琢哉さんにご寄稿いただいています。

最初の一歩を力強く支えてくれる寄付

このページのコンテンツは、特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば / 村井 琢哉さん寄稿による記事です。

活動の様子

15 年前に街頭で募金箱をもって募金活動に参加しました。道を行き交う方々から直接お金を受け取る。活動内容や集めたお金の使い道を尋ねられる。1 円であっても大切なお金。そんな大切な思いのやりとりを募金活動という「伝え」「受け取り」「感謝する」という一連のやりとりで感じていました。そのころから募金、寄付そしてファンドレイジングという言葉の意味や大切さについて考え、今代表を務める山科醍醐こどものひろばでも寄付を大きな財源の柱にしています。

山科醍醐こどものひろばは、地域の子どもや家庭、住民のみなさんの声や市民の子どもを取り巻く環境に対する問題意識の重なる部分で数多くの活動に取り組んでいます。地域だからこそ見える子どもの貧困や発達障害など様々な困難な状態と向き合う子どもたち、子育てに関する悩みに向き合う活動はもちろんですが、「よりよく」豊かな育ちの環境をつくるという地域からの楽しみというニーズにも応える活動をつくっています。これらの活動のほとんどがボランティアのチカラで取り組まれており年間 300 日以上の活動が行われています。地域の住民や市民が「社会で育ちを支える」という意識でチカラを出し合って運営しています。そして各支援事業やプログラム、組織運営についても地域の問題解決だからこそ地域で支える、社会の問題だからこそ市民が支えるということで多くの寄付金をいただいております。

そのなかでも現在一番寄付を募って取り組みを行っているのが「子どもの貧困対策事業」と呼ばれるものになります。子どもの貧困という言葉自体がやっと日本で広がりだした 4 年前から地域の方の困っているという声に応えるカタチではじめました。
その当時は子どもの貧困対策という言葉を知っている方はほとんどおらず、支援を実際に行っていく上での財源というものはありませんでした。食事や入浴のといった生活支援や学習機会の創出、文化的資源の提供という貧困世帯に不足しがちなものを届けるといったものですが、生活困窮をしている家庭が対価としてお金を払うことはできませんので、その分のお金を作る必要がありました。そのときに「地域の子どもを地域のおとなが応援しよう」とそのお金を寄付で出し合ったり、活動や問題について「伝え」ることで寄付を集め、アクションをはじめることができました。
まだ何も成果を挙げていない段階から、説明をしお金を託していただいたときはほんとうにうれしかったです。だからこそいただいた寄付で取り組んだこととその成果に関しては日々の活動発信と報告書や感謝状、また報告会を開催することなどで何度も「感謝」と「伝える」を続けさせていただきました。その一連のやりとりは、波紋のように広がりを産み出し、みんなで支え合う仕組みで地域ではじめた活動が 4 年経った今、子どもの貧困対策法もでき、全国で私たちのようなアクションをしたいという声がよせられ、たくさんのアクションが生まれようとしています。寄付が最初の一歩を支えてくれたことが大きなうねりを産み出してくれたのです。

2014 年 7 月の調査報告では子どもの貧困率はさらに悪化することになりました。これまで取り組んできたことを下地にさらに子どもの貧困をなくす「対策」を打ち出していきます。きっとまた新しい取り組みとなるなかで、その一歩を支える寄付を呼びかけ、みんなで解決を実現をしたいと願っています。


村井 琢哉

特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば理事長

村井 琢哉さん

関西学院大学人間福祉研究科修了。社会福祉士。 主な著書(共著):『子どもたちとつくる貧困とひとりぼっちのないまち』(2013)

特定非営利活動法人 山科醍醐こどものひろば

地域に住むすべての子どもたちが、心豊かに育つことをめざし、地域の社会環境・文化環境がより良くなる事をを大きな目的に活動しています。体験活動や子育て支援、生活困難な環境家庭の子どものサポートまで幅広く取り組んでいます。

Web サイト

http://www.kodohiro.com/


上へ