寄付ラボ 第 3 回寄稿

掲載日:2014 年 7月 11日  

寄付に関するさまざまな思いやエピソードを多様な立場の方にそれぞれの視点で執筆をお願いし、みなさまに生の情報をお届けする「寄付ラボ」。

第 3 回は、認定 NPO 法人テラ・ルネッサンスの創設者・理事である鬼丸昌也さんにご寄稿いただいています。

寄付は未来への投資であり、寄付者は変革のパートナー

このページのコンテンツは寄稿記事です。

活動の様子

「ぼきん」

平仮名でそう書かれた封筒をあけると、3 枚の 500 円玉がこぼれ落ちました。それは小学生の姉妹から届いた心のこもった贈り物でした。そして、封筒の下は、「平和な社会になりますように」「これでウガンダの人たちが幸せに暮らしてくれたらいいなぁ」そんなメッセージとともに、段ボールいっぱいに使用済みインクカートリッジ、ハガキ、携帯電話、古本が詰まっていました。
職員の講演を聞いた大阪の小学 3 年生の子どもたちがクラスで集めてくださったとのこと。ウガンダの元子ども兵の人々のために、少しでも力になろうと、家族を巻き込み、一生懸命に活動に取り組んでくれた姿を想像すると胸が熱くなりました。
そして、年齢など関係なく、ひとり一人に未来をつくる力がある。このことを改めて、子どもたちから教わりました。

テラ・ルネッサンスは、2001 年に京都で設立された NPO 法人です (2014 年には京都府より認定を受け、認定 NPO 法人となりました)。「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」を設立目的に、「子ども兵」「地雷」「小型武器」の 3 つの課題解決をめざし、カンボジアやウガンダで国際協力活動を行ってきました。そして、日本国内では、「子ども兵」や「地雷」の問題を、まずは知っていただくことからと、全国各地の教育機関、企業、行政で、伝え続けてきました。
ただ問題の悲惨さや大変さだけを伝えるのではありません。問題が起こる背景を政治・経済構造から説明した上で、「人の意識・意思次第で問題を解決できる」という希望を、つまり「私たちでも社会を変えられる」というメッセージを伝えるようにしてきました。

そんな私たちのメッセージに呼応するように、「私にはこれができる」「私の会社とならこれができる」様々な声をお寄せいただき、寄付つき商品の販売や、古着や古本を通しての寄付など、たくさんの関わり方が誕生しました。そんな背景からもわかるように、テラ・ルネッサンスにとって寄付者は、変革の大切なパートナーとなっています。

寄付という行為は自分の意志で、社会に参画する重要な一歩です。同時に、寄付は「地雷をなくしたい」「平和な社会にしたい」そんな自分が描く未来への投資行動でもあると思います。そして、私には、その投資によって変わりゆく社会を、パートナーにお伝えしていく責任があります。パートナーだからこそ、より細かく、寄付がどのように使われたのか、寄付によって、その家族が、地域がどのように変化したのか、数字だけでなく、写真付きのエピソードやポストカードを、年に 4 回お届けしています。
「ひとり一人に未来をつくる力がある」その言葉を信じ、私は、大切なパートナーとともに、これからも活動を続けていきます。


鬼丸 昌也

認定 NPO 法人テラ・ルネッサンス創設者・理事

鬼丸 昌也さん

1979 年、福岡県生まれ。2001 年大学在学中に「テラ・ルネッサンス」を設立し、以後、学校、企業、行政などで講演を続けている。

認定 NPO 法人テラ・ルネッサンス

テラ・ルネッサンスは、紛争に巻き込まれた人々の自立と自治を支援する NPO です。「地雷」、「小型武器」、「子ども兵」という3つの課題に対して、現場での国際協力と同時に、国内での啓発・提言活動を行っています。

Web サイト

http://www.terra-r.jp/


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